USCPAの資格と魅力

USCPAとは、米国公認会計士(U.S. Certified Public Accountant)のことで、米国の公認会計士資格を言います。

米国の資格ではありますが、国際的に広く認められた資格で、アメリカのみならず日本でも転職やキャリアアップに有利に働く資格の1つです。

現在、グローバル化が進むにつれて、日本企業が採用する会計基準が米国会計基準や国際会計基準(IFRS)に移行してきており、今やその企業の時価総額は東京証券取引所の3分の1に迫る勢いと言われています。

そこで、USCPAの知識が企業の経理部門にとって求められているわけです。

また、日本の公認会計士資格に比べ合格しやすいのも魅力です。

日本の公認会計資格の合格率が5%~10%と言われているのに対し、USCPAの全受験生の平均合格率は約50%と言われています。

そんな魅力だらけの資格ですが、英語と簿記の知識はどのぐらい必要でしょうか。

まず、英語に関しては、ネイティブレベルで英語が使える必要は全くありません。

TOEICで600~650点ぐらいの知識があればOKです。

なんとなく英語の読み書きができる、といったレベルがあれば大丈夫です。

次に、簿記についても、日本の簿記の知識が必要ということはありません。

USCPAの簿記知識は、日本の日商簿記2級ぐらいのレベルですが、わざわざ日本の簿記をとってから勉強を始めるぐらいなら、初めからUSCPAの内容をしっかり理解するほうが勉強時間の短縮に繋がるといえます。

 

さて、具体的な試験概要を見ていきます。

試験は以下の4つの科目からなります。

・FAR(財務会計)
・BEC(経営・IT)
・REG(税法・商法)
・AUD(監査論)

いずれも選択式の問題が大半を占めています。

シュミレーション問題と言われる文章問題のようなものも一部ありますが、問われる内容は数値であったり、選択肢から選んでいくような内容になっていますので、実質的には選択式と大きく異なりません。

BECのみライティング問題が少し入ってきますが、全体の約15%となりますので、それほど高くはありません。

USCPAの問題は基本的にシンプルですので、予備校の講義等を受けた後は、ひたすら問題集や過去問をやりこむことが合格への近道です。

ここで、具体的な勉強時間はどのぐらい必要なのでしょうか。

多くの合格者は、1,000時間ぐらいと見込んでいるようです。

仮に1年間で合格しようと思った場合、1日あたり約2時間、週末に集中して勉強するなら土日で1日5時間の勉強が必要です。

日本の会計士資格に比べて合格しやすいとはいっても、それなりの勉強時間が必要になる資格であることを覚悟しておきましょう。

 

最後に、受験資格と試験要領も日本のものとは異なりますので留意しましょう。

まず、受験資格は州ごとに大きく異なります。

一般的には4年生大学卒の学位である、「学士」が必要となります。

また、大学で「会計単位」「ビジネス単位」を一定数以上取得していることも必要です。

ただし、これらは州によって異なりますので、ここに書かれている受験資格を満たさない場合でも受験することが可能な州もあります。

なお、出願州によって試験の難易度は同じで、合格の価値も変わりません。

したがって、受験しやすい州を選べば大丈夫です。

次に試験要領について、まず受験地については、米国受験の場合は、どの州に出願しても、米国内の好きな場所で受験することができます。

受験のついでに海外旅行を兼ねて、ということでもよいかもしれません。

もちろん日本で受験することも可能です。

日本で受験可能な州については、具体的に調べてみることをおすすめします。

次に受験日については、1年を4つの期間に分け、その期間内であればいつでも受験することが可能です。

仕事の都合などにあわせて受けることができるので非常に受験しやすい資格と言えます。

最終更新日 2025年5月20日 by igocars