不妊治療は医師との相性もあります

私には、不妊治療をした経験が2度あります。

いまでこそ高齢出産といっても当たり前になってしまっていますが、私が出産したのはいまから20年以上前でしたから28歳で結婚したときは、早く治療をしないと高齢出産になるといわれたものです。

自分でも生理不順があったり、生理の症状がつらかったので、すんなりとは妊娠できないのではないかと思っていました。

そのため、結婚してすぐに名医と呼ばれる先生のいる産婦人科に通いだしました。

そこでの指導というのは特殊で、とくかく妊娠しずらい人は体の血流がよくなかったり代謝力が弱いので、とにかく家にいるくらいだったら散歩などをして運動を積極的にすることといわれました。

朝おきて基礎体温を測ったらとにかく運動をするのです。

普段は自転車で行くようなところも積極的に歩いたり、小走りにするのでとても大変でした。

そしてその間に卵巣の検査や子宮の検査をやったりしていましたし、排卵時期が近づくと、排卵誘発剤やホルモン剤を投与されたりするので、病院に行く回数も多くて大変でした。

なによりつらかったのは、妊娠していないとわかったときの先生の一言です。

私が、今月も妊娠できませんでしたと、少し体が前のめりになって落ち込んでいると、先生に、そんなに姿勢が悪いからあなたは妊娠ができないのだといわれたのです。

自分ではいろいろな努力をしてきたのに、たった一度、うなだれただけで、あなたのせいだといわれたことに対して、本当に激怒してしまって、こんな病院なんてやめてやると思って、本当にそこをやめてしまいました。

帰りの電車の中では、妊娠できないからといって、だれにも迷惑をかけていないじゃないかとか、先生にそこまでいわれる筋合いはないのだと怒りがこみあげてきました。

その一方で、子供がいないからといって自分や主人は不幸になるわけではないのだとふっきれてしまいました。

それならそういう人生を楽しめばいいのだと思っていたら、その1か月後に自然妊娠できました。

たぶん、精神的にリラックスできたのがよかったのかもしれません。

長男を出産後、すぐにもう一人子供がほしかったのですが、なかなか妊娠できないので、再び、不妊治療をしました。

そこは、家から通えるところで、女医さんということで通いはじめました。

まずは、子宮癌になっていないかなど基本的な検査をやっていたのですが、そのときに私が子宮内膜症があってこれが原因で妊娠できない状態になっているということがわかりました。

そのため、不妊治療として反するようですが、一度生理をとめることによって子宮内膜症の症状が改善するようにすることが不妊治療につながるということでした。


出典:http://oliveladies.com/azabu/

たしかにそれまでは生理のたびに出血がひどかったりして貧血症状もひどかったのでその治療が不妊治療につながるというのは、とてもよくわかりました。

処方された薬はスプレキュアという点鼻薬です。

これは女性ホルモンの分泌を抑えることで子宮内膜症に治療に使われるものですが、不妊治療にも使われる薬という説明もうけました。

これで薬半年くらい生理を止めて子宮内膜症の症状を緩和させるという治療をしました。

そして半年後に治療も終わり、やがてふつうに生理が来ましたがそのときは、いままであった生理のつらさもなく、体が元気になっていることを実感しました。

そしてわずか一カ月後に妊娠しました。

正直半年間生理をとめていたので、その分無駄な時間を過ごしているのではないかという不安もあったのですが、先生を信じて治療に専念した結果、妊娠することができて本当にうれしかったです。

治療は女性にとって、精神的なプレッシャーもあるのでとても大変です。

でもそのときに医師の一言によっても患者は傷つくことが多いです。

頑張っているのに周囲の心ない一言で傷つくことがあっても家族や医師の一言に救われることが多いはずなのに、私の場合は、はじめの治療のときに医師の心ない一言に本当につらい経験をしました。

すべての医師がひどいことをいうとは限りませんし、たまたま私だけがそういう一言を受けてしまったのでしょうが、それでもとても傷ついている人がいるのだということをもっとしってほしかったです。

また妊娠はだれでも当たり前にできるという認識は大きな間違いです。

妊娠したくてもできない人は多いので、だれでも結婚した夫婦に気軽に赤ちゃんは?などといわないほうがいいと思います。

私もまだできないの?といわれてきたことでかなりプレッシャーになったりしたので、そういうデリケートのことは、聞かないし、そっとしておくことが優しさなのだというのが当たり前になる社会になってほしいです。

社会はどんどん進化しているようですが、妊娠のことについては、医療は進歩しても言葉の暴力につながることは相変わらずあるような気がするので、気を付けてほしいと思っています。

いまでも治療で大変な思いをしている人は多いはずです。

最終更新日 2025年5月20日 by igocars